🎧 対談で聴く(二人が語り合う、この記事の感想・解説)

この音声は、本文の内容をもとにGoogle NotebookLM(Gemini)が生成したAI音声解説です。二人のキャスターが感想や解説を交えて語り合う対談形式の音声で、本文をそのまま読み上げるものではありません。

はじめに ― 友人を乗せて、車を走らせる

日本から遊びに来てくれた友人を、私が運転する車で少し遠出に連れて行くことにしました。行き先は、テレビ番組でイギリス中の話題をさらったあの農場ショップと、その隣町にある小さな醸造所です。

今日のルート

今日のドライブ・ルート

  • West Midlands(出発) → Diddly Squat Farm Shop 約60分
  • Diddly Squat Farm Shop → Hawkstone Brewery 約30分
  • Hawkstone Brewery → West Midlands(帰着) 約75分

合計の運転時間は約2時間45分。コッツウォルズの田園風景を抜けながらの、のんびりとしたドライブでした。

「ダメ農場」から生まれた人気店 ― Diddly Squat Farm Shop

最初の目的地は、オックスフォードシャーのチャドリントンという小さな村にある「Diddly Squat(ディドリー・スクワット)Farm Shop」です。

Diddly Squatというのは、英語で「ほとんど何もない」「大した儲けにならない」という意味の言葉です。この農場を2008年に買い取った元・自動車番組の司会者ジェレミー・クラークソン氏は、長年ずっと人に貸していたこの土地を、2019年になって自分自身で耕し始めました。ところが最初の年、思いがけずジャガイモが40トンも収穫できてしまい、「これをどうしよう」と困った末に、2020年、農場の片隅にショップを開いたのがすべての始まりだったそうです。

ジャガイモから始まった小さな直売所は、やがて自家製の蜂蜜(「Bee Juice」という洒落た名前で売られています)やリンゴジュース、牛乳(「Cow Juice」)なども扱うようになり、今ではコッツウォルズでも指折りの人気スポットになりました。しかも彼は、これらの商品すべてが「Made in Britain(英国製)」であることに強くこだわっているそうです。その根本には、イギリスの農業を大切にし、持続可能なものにしていきたいという強い意志があるように感じます。人気の一番の理由は、この農場での悪戦苦闘の日々を追った配信番組「Clarkson's Farm」が世界中で放送され、大ヒットしたことです。不作や天候との戦い、地元の村議会との衝突まで、包み隠さず映し出した番組が、逆にこの農場を一躍有名にしたのですから、人生というのは面白いものです。

Diddly Squat Farm Shopの入口にできた行列

実際に到着したのは午前10時半ごろでしたが、すでにお店の前には長い行列ができており、並ぶとすれば1時間はかかりそうな雰囲気でした。「人気があるらしい」とは噂に聞いていたものの、これほどとは思わず、正直かなり驚きました。無理に並ぶのはあきらめ、お店の裏手にあったキオスク(ビールやハンバーガー、アイスクリームなどを売っている屋台)でソフトクリームを買い、その場で立ったままいただきました。友人もこの人気ぶりにはすっかり驚いた様子でした。

Diddly Squat Farm Shopの野菜・果物のワゴン

Clarkson's FarmとAmazon Primeのロゴが並ぶ壁面

Cow Juiceと書かれた牛乳の自動販売機

さて、この農場の顔であるジェレミー・クラークソン氏について、少し触れておきたいと思います。66歳になる彼は、2024年にホリデー先で体調を崩し、緊急の心臓の処置(ステント留置)を受けたことを公表していました。さらに2026年6月、「Clarkson's Farm」シーズン5の中で、前立腺がんと診断されたことを自ら明らかにしています。本人いわく「進行の早いタイプだが、早期に見つかった」とのことで、その後の検査ではがんが検出されないところまで回復し、「私はいたって元気だ」とSNSで報告していました。彼は「早期発見のおかげで今の自分がある」として、同世代の男性に検診を受けるよう呼びかけています。66歳の私自身にとっても、他人事とは思えない話でした。人気者が身をもって伝えるメッセージには、テレビの向こうの他人事では済まされない重みがあるように感じます。

彼の農場での奮闘ぶりは、Amazon Primeで配信されている番組「Clarkson's Farm(クラークソンの農場)」で見ることができます。イギリスの農業の現状や、ジェレミー・クラークソンという人物そのものにご興味のある方には、絶対おすすめの番組です。

訪問メモ

  • 所在地:チャドリントン村(オックスフォードシャー、コッツウォルズ)
  • 農場の広さ:約1,000エーカー
  • 開店:2020年
  • 見どころ:直売所、カフェ(Big View Café)、隣接するパブ「The Farmer's Dog」
  • 混雑のピークは週末の午前中。早めの到着がおすすめです。

石造りの醸造所で乾杯 ― Hawkstone Brewery

次に向かったのは、コッツウォルズの美しい村ボートン・オン・ザ・ウォーターの近くにある「Hawkstone(ホークストーン)Brewery」です。

この醸造所の歴史は、実はDiddly Squatよりずっと古く、2005年にリック&エマ・キーン夫妻が「Cotswold Brewing Co.」として始めた、家族経営の小さなラガー専門ブルワリーにさかのぼります。イギリスのビールといえばエールが主流ですが、この夫婦はあえてラガー造りにこだわり、コッツウォルズ・ストーン造りの美しい建物で、20年近くにわたって地道にビールを造り続けてきました。

転機が訪れたのは2021年。あのジェレミー・クラークソン氏が出資者として加わり、Diddly Squat農場で育てた大麦を使ったビール造りが始まったのです。2022年には正式に「Hawkstone」というブランドに生まれ変わりました。名前の由来は、Diddly Squat農場の近くにある「ホーク・ストーン」という新石器時代の立石(メンヒル)だそうで、古代の遺跡から名前をもらうあたりに、イギリスらしい歴史へのこだわりを感じます。

Hawkstone Brewery付近の畑の風景

先ほどのDiddly Squat Farm Shopとは対照的に、Hawkstone Breweryは訪れたときは閑散としていて、ゆったりと過ごすことができました。友人は「Premium Lager」を、私は運転があったのでアルコール0%の「Hawkstone Lager Zero」をいただきました。友人はビールをとても気に入った様子で、ごくごくと美味しそうに飲んでいたのが印象的でした。約2時間の醸造所見学ツアーもあるそうなのですが、この日はあいにく予約でいっぱいで、参加はかないませんでした。次に来る機会があれば、ぜひツアーに参加してみたいと思います。

試飲したHawkstone Lager Zero

訪問メモ

  • 所在地:College Farm, Stow Road, ボートン・オン・ザ・ウォーター(グロスターシャー)
  • 創業:2005年(Cotswold Brewing Co.として)/2022年にHawkstoneへ改名
  • 名前の由来:近隣にある新石器時代の立石「ホーク・ストーン」
  • 醸造所ツアー:所要約2時間、試飲付き(予約制・満席になりやすいので早めの予約がおすすめ)

帰り道、そしてこの日のふりかえり

コッツウォルズの緩やかな丘を眺めながらの帰り道、助手席の友人と、今日訪れた場所についてあれこれ話しました。

66歳になってなお、こうして自分でハンドルを握り、遠くから来てくれた友人を案内できることは、ありがたいことだとあらためて感じました。ジャガイモ40トンから始まった小さな直売所の物語も、20年かけて育ってきた家族経営の醸造所の物語も、そして今日知ったクラークソン氏の健康の話も、それぞれに「続けること」「早めに気づくこと」の大切さを教えてくれたような気がします。

ほかにも、こんな本があります

よろしければ、こちらもご覧いただけると嬉しいです。

『東から西へ ― 俳句のこころ、聖書のひかり ―』(村井弘 著)

遠くから来た友人と過ごす、何気ない一日の尊さを俳句のことばで見つめ直してみたくなる一冊です。これは私の義父の遺作です。

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『白内障手術体験記 ― 英国在住者が大阪で自費手術を受ける』(南晴人 著)

こちらも、66歳になって「早めに気づくこと」の大切さを実感した、白内障手術という新しい体験を綴った一冊です。

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『英国寿司ビジネス奮闘記(小説版)』全4巻(南晴人 著)

29歳でロンドンへ渡り、寿司ひとすじに35年。見習いから工場長、そして寿司教室までを描いた小説シリーズです。

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今日のドライブ・データ

  • 総走行時間:約2時間45分
  • 訪問先:2か所(Diddly Squat Farm Shop/Hawkstone Brewery)
  • おすすめの時間帯:どちらも混雑を避けるなら午前中の早い時間