🎧 対談で聴く(二人が語り合う、この記事の感想・解説)

この音声は、本文の内容をもとにGoogle NotebookLM(Gemini)が生成したAI音声解説です。二人のキャスターが感想や解説を交えて語り合う対談形式の音声で、本文をそのまま読み上げるものではありません。

朝のコーヒーを飲みながら、久しぶりに自分のブログのトップページを、読者になったつもりで上から順に眺めてみました。そして、少し恥ずかしくなりました。いろいろなものを足し続けた結果、玄関に靴や傘や郵便物が散らかったままのような状態になっていたからです。

この日、私は相棒の生成AI・Claudeと一緒に、朝から夜までかけてトップページを作り直しました。何ができなかったのか、どう試したのか、そして何が変わったのかを、つまずいた場面も含めて記録しておきます。同じように、自分のサイトや暮らしの「散らかり」に悩んでいる方の参考になればと思います。

朝、自分のサイトが「ごちゃごちゃ」に見えた

作り直す前のトップページは、大きな写真のすぐ下に「私たちについて」「ブログ記事発信の目的」「これからの歩み」という3つの自己紹介が続き、肝心の記事にたどり着くまでに、長いスクロールが必要でした。記事を探す場所には11のカテゴリーが横に並び、その下には「読者のお便りを見る」「新着記事のお知らせ希望」といったボタンや、お便りのカードが重なっていました。

どれも、そのときどきに「あったほうが親切だろう」と考えて足したものです。一つひとつに理由があるからこそ、どれを減らせばよいのかが、自分では判断できなくなっていました。家の片づけと同じで、自分で選んで買ったものほど、手放しにくいのだと思います。

足し続けた結果、要素が重なり合って迷路のようになったトップページのイメージ

作り直す前のトップページのイメージです。自己紹介、たくさんのカテゴリー、ボタン、カードが重なり、読者はどこから読めばよいのか迷ってしまいます。

この日のために、相棒の「等級」を一つ上げた

実は、この作業に取りかかる前に、一つ思い切ったことをしていました。Claudeの契約を、それまでのProから、Max(5倍)という一段上のものに切り替えたのです。

理由は二つありました。一つは、使える量です。ここ一ヶ月ほど、記事の投稿やサイトの手直しでClaudeを使う時間が増え、一週間分の利用枠を四、五日で使い切ってしまうようになっていました。残りの数日は、書きかけの作業を目の前にして、枠が戻るのをただ待つしかありません。中断された作業は、再開するときに必ず思い出す手間がかかります。私の場合、その手間は日が空くほど大きくなります。

もう一つは、手応えです。それまで私は、中位のモデルであるSonnet 5を使っていました。サイトのファイルを直接触るClaude Codeのほうは、これで気持ちよく動いてくれます。けれども、私と相談しながら指示を組み立てるチャット側のClaudeには、指示の正確さや、問題を解きほぐす力に、物足りなさを感じていました。問題が解決しきらないまま、消化不良の気持ちで次の作業に移る。そんなことが続き、一つの作業にかかる時間がどんどん延びて、正直なところ、少しずつ気持ちの負担になり始めていました。

そこで思い切って、契約をMax(5倍)に上げ、チャット側では上位のOpus 5を常に使い、Claude Code側はSonnet 5のまま、という組み合わせで、この日の作業を試してみることにしました。費用は、それまでのおよそ六倍になります。年金で暮らす身には、決して軽い額ではありません。それでも踏み切れたのは、合わなければいつでも元の契約に戻せるからです。取り返しのつく決断は、迷っているより一度試したほうが早い、と考えました。

作業を始めてすぐに、違いに気づきました。問題が起きそうな場所を先に見つけて手当てしてくれること。新しい案の数と、その的確さ。返ってくる速さ。そして何より、任せていて不安にならないこと。どれをとっても、それまでとは段違いでした。私の指示が的を射てくるぶん、Claude Codeに渡す仕事の量も増え、四十分から一時間近く、止まらずに作業が続く場面も何度かありました。使用量が一気に増えるのではないかと心配しましたが、実際には思ったほどではなく、拍子抜けするほどでした。

まだ使い始めて初日ですから、結論を出すには早すぎます。それでも、上げてよかったと今は思っています。とりわけ、私のような技術者ではない初心者にとっては、チャット側のClaudeとClaude Codeのやりとりは、知らない言葉ばかりです。Claudeが書いた指示をそのままコピーしてClaude Codeに貼り、返ってきた答えをまたコピーしてClaudeに貼る。その往復が延々と続きます。内容の理解が薄いうえに集中力が続かないので、少し前にした操作を忘れ、いま自分が何をしている途中なのか見失う。そんな悪夢のようなループに入り込むことが、これまで何度もありました。Opus 5には、私がどこでつまずいているのかを察して、一つずつ私に合わせて説明し直してくれている、という感じがあります。速く賢いことよりも、そちらのほうが、私にはありがたいのです。

足すより、引くほうが難しい

片づけの方針を考えていたとき、千利休の朝顔の逸話を思い出しました。利休の庭の朝顔が見事だと聞いた豊臣秀吉が茶会に出向くと、庭の朝顔はすべて摘み取られていて、茶室の床の間に一輪だけが生けてあった、と伝えられています。一輪を際立たせるために、ほかのすべてを手放したのです。

トップページで一番見せたいのは、自己紹介ではなく、これまで書いてきた241本の記事です。そこで、Claudeと相談しながら、次の順で進めることにしました。まず、記事を探す場所を写真のすぐ下に移すこと。次に、お便りやお知らせ登録をお問い合わせのページに移すこと。そして、3つの自己紹介を1つにまとめることです。

11あったカテゴリーは、「暮らし」「旅」「心と体」「お金と世界」「読書と音楽」「AIとの歩み」の6つのタブにまとめました。漢方には、芍薬と甘草の二つの生薬だけでできた芍薬甘草湯のように、材料の少ない処方が、こむら返りなどに素早く効くとされるものがあります。選択肢は多ければよいのではなく、少ないからこそ迷わずに届くことがある、という考え方です。

日本食の仕事に関わっていた頃にも、メニューの品数を増やしすぎると、お客様は選ぶのに時間がかかり、厨房の仕込みも増えていく、という悩みはいつも身近にありました。読者に迷わせないためには、作り手が先に選んでおく必要があるのです。

AIの下書きを、AIに確かめさせる

6つのタブには、それぞれ短い説明文を付けることにしました。最初の案は、チャットのClaudeが書いてくれました。たとえば「旅」の説明文は、「タイやフィリピンなどアジアの旅を記録しています」というものでした。

ところが、サイトのファイルを直接読めるClaude Codeに、実際の記事と照らし合わせてもらったところ、タイを扱った記事は1本もないことがわかりました。反対に、説明文に書かれていなかったクルーズの記事が18本、日本国内の宿泊記や食べ歩きの記事が21本ありました。「お金と世界」の説明文にあった「ETFや個別株の分析」も、実際に当てはまる記事はほとんどありませんでした。

AIは、それらしい文章をとても上手に書きます。だからこそ、その文章が事実と合っているかを確かめる役目も必要です。今回は、チャットのClaudeが「こう書いてはどうか」と提案し、Claude Codeが「実際の記事とは違う」と指摘してくれました。私の役目は、両方の話を聞いて、最後にどちらにするかを決めることでした。一人の人間の中で、書く自分と疑う自分を同時に働かせるのは難しいので、この分担はとても心強いものでした。

iPhoneで見て、はじめてわかったこと

パソコンの画面で一通り仕上がったあと、実際に自分のiPhoneで開いてみました。すると、パソコンでは気づかなかった問題が、いくつも見つかりました。

一つは、画面の上に固定された緑色のお知らせ帯です。新着記事のタイトルが3行に折り返し、スマホの画面のおよそ4分の1を覆っていました。スマホでは1件だけを1行で表示し、はみ出す部分は「…」で省略するように直しました。

もう一つは、説明文の改行です。「古城やホテルへのお出かけ」という言葉が、「古城や」の後で改行されていました。日本語は、ブラウザが文字の単位で自由に改行するため、こうした切れ方が起きます。読点ごとの語句をひとまとまりとして扱う仕組みにして、言葉の途中で切れないようにしました。

さらに、お知らせ帯を閉じた読者がもう一度訪れると、帯が一瞬表示されてから消え、記事全体が上にずれていたこともわかりました。表示のずれを表す数値(CLS)を測ると、スマホの幅で0.0788ありました。Googleが「良好」とする0.1未満にぎりぎり収まる値です。ページが描かれる前に帯を隠す方式に変えたところ、0.0006まで下がりました。

私、チャットのClaude、Claude Code、プレビュー、iPhoneでの確認をぐるぐると回る作業の流れ

この日の作業の流れです。チャットのClaudeと指示文を考え、Claude Codeが作業し、プレビューで確認し、iPhoneで見て気づいたことをまた相談する。この輪を何度も回しました。

英語の登録フォームは、壊れていたのか

お知らせ登録のフォームを移す前に、フォームの管理画面を確認すると、日本語のフォームには14件の登録があるのに、英語のフォームは0件でした。英語の読者がまだいないだけなのか、それとも最初から壊れていたのか、わかりませんでした。

ここで、チャットのClaudeが一つ間違えました。管理画面のスクリーンショットから送信先のURLを読み取るとき、大文字の「I」を小文字の「l」と読み違えたのです。Claude Codeがサイトのコードと文字の番号で一文字ずつ比べ、コードのほうが正しいと指摘してくれました。チャットのClaudeは、すぐに読み違いを認めました。最後は、管理画面のコピーボタンでURLを写し取り、機械どうしで比べて決着をつけました。人の目で見分けられない違いは、目で確かめないほうがよい、というのが、この日の小さな教訓です。

実際に英語のフォームからテスト登録をすると、送信数は0から1になり、読者リストにも言語が「EN」と記録されました。フォームは最初から正しく動いていたのです。

ただ、その先で、まだ直せない問題も見つかりました。新着記事のお知らせを送る自動化の仕組みの中で、英語用の流れが、動き始めるきっかけにつながっておらず、一度も動いていなかったのです。直すには仕組みを2つに分ける必要がありましたが、管理画面の操作が私にはわかりにくく、途中で手が止まってしまいました。今は英語の読者がいないので、困る人はいません。英語の登録者が現れたときに取り組むことにして、この日はそこで区切りをつけました。わからないまま無理に進めないことも、大切な判断だと思っています。

「66歳と61歳」と書くのをやめた

3つの自己紹介を1つにまとめるとき、トップページの紹介文にあった「66歳と61歳」という表記を、「60代の夫婦が」に改めました。年齢は、書いた瞬間から古くなっていきます。誕生日が来るたびに直さなければならず、直し忘れれば、読者に古い情報を見せることになります。諸行無常という言葉がありますが、変わっていくものを文字で固定しようとすると、どこかで無理が生じるのだと思います。

発信の目的を表す6つの見出しも、読み返すと抽象的でした。そこで、次のように日常の言葉に置き換えました。「先行体験の共有」は「ひと足先に経験したことを伝える」に、「老いの再解釈」は「老いを新しい目で見つめる」に、「実践知の共有」は「暮らしの中で役立った工夫を伝える」に、「文化の橋渡し」は「日本とイギリスをつなぐ」に、「記録すること自体」は「書き残すことそのものを大切にする」に、そして「静かな伴走」は「同じ道を歩く方に、そっと寄り添う」にしました。

本文の文字も、見直しました。私自身、この数年で、細かい文字を目で追うのがつらくなってきました。夕方になると、薄い灰色の文字は特に霞んで見えます。同じ世代に向けたサイトなのに、紹介文はまさにその小さな薄い灰色の文字でした。文字をひと回り大きくし、色を濃くして、背景との見分けやすさを高めました。行の長さも、目で追いやすい長さに収めています。

写真の裏に書かれていた住所

最後に、トップページの一番上の大きな写真を、ネットで借りた写真から、自分たちで撮った写真に替えることにしました。これまで撮りためた59枚をパソコンのフォルダに集め、そこから選んだ28枚を、訪問のたびにランダムに1枚ずつ表示する仕組みです。京都の紅葉、ロンドンのビッグベン、我が家の庭のバラ、ラズベリーの写真などが、開くたびに入れ替わります。

準備の中で、驚いたことがあります。Claude Codeが写真を調べると、59枚のうち56枚に、撮影した場所の位置情報が記録されていたのです。スマートフォンで撮った写真には、目に見えない形で、撮影場所の緯度と経度が埋め込まれていることがあります。

これは、昔の紙の写真にたとえるなら、裏に自宅の住所を書いたまま、知らない人に配っているようなものです。写真の表だけを見ていると、まったく気づきません。サイトに載せるのは、位置情報を取り除いて変換したものだけにしました。

念のため、すでに公開していた3,623枚の画像も調べてもらうと、4枚に位置情報が残っていました。画質を落とさない方法で位置情報だけを取り除き、今後は位置情報の付いた写真が紛れ込むと、公開の手前で自動的に止まる仕組みも加えてもらいました。記事に写真を載せるたびに感じていた小さな不安が、一つ消えました。

散らかったページが、写真とタブと自己紹介に整理され、表示の点数も上がったことを表す図

作り直した後のトップページのイメージです。自分たちの写真、6つのタブ、1つにまとめた自己紹介の順に整いました。右下は、パソコンでの表示速度の点数の変化と、写真から位置情報を取り除いたことを表しています。

数字で見る、一日の変化

作業の前と後で、Googleの表示速度の診断(PageSpeed Insights)の点数を比べました。パソコンの表示速度は68点から89点に、サイトの作り方の良さを表す「おすすめの方法」は77点から100点になりました。スマホの「おすすめの方法」も100点です。一方で、スマホの表示速度は55点のままでした。遅い回線を想定した厳しい測り方で、原因はページ全体の作りにあり、今回の変更とは別の課題です。すべてが一日で良くなるわけではない、というのも正直な記録として残しておきます。

片づけの途中で、英国政府のサイト「GOV.UK」のことを思い出しました。GOV.UKは、サイト作りの原則の一つに「Do less(やることを減らす)」を掲げ、本文の文字も大きめに作られています。必要な情報に、誰もが迷わずたどり着けることを優先しているのです。一方で、日本のウェブサイトは、限られた画面にできるだけ多くの情報を並べる傾向があるとよく言われます。どちらにも良さがありますが、日本と英国の両方で暮らす私たちのサイトは、日本語の読者にも英語の読者にも、まず迷わせないことを大切にしたいと考えました。

生成AIとの学びが、老後にもたらしてくれるもの

心と体を整える

朝から夜までの長い作業でしたが、不思議と疲れは重く残りませんでした。一度に全部を片づけるのではなく、「調べる」「提案を見る」「プレビューで確かめる」「本番に反映する」という小さな段階に分けて進めたからだと思います。私は集中力や記憶力の衰えを感じていますが、段階ごとに区切れば、途中で休んでも、どこまで進んだかを見失いません。わからない言葉が出てきたら、その場で遠慮なく尋ねられることも、気持ちを楽にしてくれました。

お金がかかっても続ける理由

冒頭に書いたとおり、この日から利用料はそれまでのおよそ六倍になりました。年金で暮らす身には、毎月の重みとして確かに感じる額です。それでも続けているのは、同じ作業を専門の業者に頼めば、はるかに大きな費用がかかるうえに、自分では何が変わったのかを理解できないまま終わってしまうからです。AIと一緒に作業すると、なぜそうするのかを一つずつ説明してもらえます。お金で買っているのは、作業そのものよりも、自分の手で理解しながら進められる時間なのだと思います。そして、その時間の質が上がれば、同じ作業にかかる日数は減ります。月々の額だけを見て高い安いを決めるのは、たぶん正しくないのでしょう。

新しい出会いが、暮らしに彩りを添える

今回の片づけのきっかけの一つは、北野幸伯先生のメルマガを通じてこのブログを知ってくださった読者の方からのお便りでした。記事の日付が未来になっている、という指摘をいただき、読者が細かいところまで見てくださっていることに、背筋が伸びる思いがしました。フォームの自動化の仕組みや、写真の位置情報のように、この年齢になって初めて知ることにも出会えます。見知らぬ読者と、新しい知識の両方との出会いが、毎日に小さな張り合いを与えてくれています。

おわりに ― 実をつけた枝を切る

夏に実をつけるラズベリーは、収穫が終わると、実をつけた枝を根元から切ります。その枝は、もう翌年には実をつけないからです。切ることで、新しく伸びてきた枝に日が当たり、翌年の実りにつながります。

今回トップページから外した自己紹介のセクションやボタンも、それぞれの時期にはきちんと役目を果たしてくれました。役目を終えたものに感謝して手放すことで、これから書く記事に、読者の目が届きやすくなったと思います。

この記録も、誰かに向けた一方通行の文章です。一方通行の言葉であっても、読んでくださった方の心にそっと寄り添えるなら、それは立派な「伴走」だと思っています。

ほかにも、こんな本があります

よろしければ、こちらもご覧いただけると嬉しいです。

『東から西へ ― 俳句のこころ、聖書のひかり ―』(村井弘 著)

足し続けるより、大切な一語を残す。俳句と聖句が静かに響き合う一冊です。これは私の義父の遺作です。

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『白内障手術体験記 ― 英国在住者が大阪で自費手術を受ける』(南晴人 著)

見えにくさと向き合った日々を、同じ悩みを持つ方に向けて一つずつ記録した体験記です。

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『英国寿司ビジネス奮闘記(小説版)』全4巻(南晴人 著)

29歳でロンドンへ渡り、寿司ひとすじに35年。見習いから工場長、そして寿司教室までを描いた小説シリーズです。

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